PROJECT.04

AS-LOGI神戸I

賃貸事業

会社初となる物流施設プロジェクト。
物流事業参入で、新しいフィールドを開拓する。

PROJECT PROFILE
AS-LOGI神戸I
会社初の新規プロジェクト
物流事業への新たなる挑戦
兵庫県神戸市須磨区弥栄台に誕生した物流施設「AS-LOGI神戸I」。神戸淡路鳴門自動車道「布施畑IC」から約1kmの神戸流通センター内に位置し、兵庫・大阪・京都府エリアだけでなく、西日本を幅広くカバーする物流倉庫である。施設内にはパウダールームや更衣室を設置して働きやすい環境を整え、太陽光発電パネルの設置や環境性能を評価する「CASBEE」でAランク評価を獲得するなど環境にも配慮した施設となっている。本プロジェクトは、物流事業竣工の第一号施設。スマイルライフカンパニー・総合生活関連企業であるTC神鋼不動産の新たなチャレンジが始まった。
青木 英明 Hideaki Aoki
都市開発事業部 プロジェクト開発部
2007年入社 人間環境学部 環境デザイン学科卒
2007年入社。入社以来、マンション・戸建て住宅の分譲事業で経験を積み、現在は非住宅の分野でも活躍。本プロジェクトでは、2020年のプロジェクト発足時から携わり、プロジェクトマネージャーとして、コストやスケジュールの管理、リーシングなど事業推進の中心的な役割を担う。趣味は読書。本を読んで気分をリフレッシュしている。
松藤 昂 Akira Matsufuji
技術部 技術グループ 兼 都市開発事業部 プロジェクト開発部
2008年入社 工学部 建築学科卒
2008年入社。技術部と都市開発事業部を兼任し、これまで主にマンション・戸建て住宅の分譲事業に携わる。本プロジェクトでは、2020年のプロジェクト発足から技術部の主担当として関わり、設計図面作成、行政協議、ゼネコン見積精査、工事監理などの役割を担う。趣味は、野球観戦や小旅行。休日の楽しみは、子供たちと一緒に旅行に出かけること。
episode1
会社初となる物流施設開発の第一弾。
今後の事業を左右する大きな挑戦が始まる。
本プロジェクトが始動したのは、2020年9月。これまで商業施設事業、オフィス事業、住宅事業などを中心に展開してきたTC神鋼不動産が、年々高まりを見せる物流ニーズの拡大を受け、新たに物流事業への参入を決定した。そして、その完成第一号となる物流施設がこの「AS-LOGI神戸I 」である。

そんな会社からの期待と注目を集める本プロジェクトのプロジェクトマネージャーに選ばれたのが、青木だ。当時を振り返り、青木はこう語る。「入社してからずっと住宅畑で仕事をしてきて、物流施設の開発はもちろん初めて。まず何から手をつければいいのかも分からない状態で、文字通りイチからのスタートでしたね。」会社としても、自身にとっても初めての経験に戸惑いながらも、新しいことに挑戦する期待感に胸を膨らませていた。

また、青木と時を同じくして技術部の主担当として選ばれたのが、松藤である。青木と同様、本プロジェクトの両輪を担う存在だ。松藤も長年、住宅の分譲事業に携わってきたが、新規事業の話を聞いて自ら手を挙げたという。「会社として新しいことに挑戦しようという大きな流れがあって、そこで新規事業があった際はぜひ参加してみたいと上司に伝えていました。今回その希望が通り、ワクワクした気持ちでプロジェクトに臨みました。」そう語る松藤も、青木と同様「物流とは何か」という基礎からのスタート。プロジェクトメンバーが力を合わせ、未知のフィールドへのチャレンジが始まった。
episode2
最初にして最大の関門「事業計画」。
TC神鋼不動産だからできる物流施設のカタチ。
青木・松藤ともに本プロジェクトのターニングポイントとして挙げるのが「事業計画」だ。どんな顧客をターゲットに、どんな設備の物流施設をつくるのか。その基本設計をつくるとても大切なフェーズである。まず二人が始めたのは、「物流施設を知る」ことだった。「まず世の中にはどんな物流施設があるのか、事例をとにかく集めて検証しました。」そう語る松藤は、通常よりも時間をかけ、毎週図面チェックを行い、設計図面を作り上げていった。

「意識していたのは、いかに汎用性を持った物流施設にするかという点。今回はテナントが決まっていない状態がスタートでしたので、できる限り多くのお客様に検討してもらえる施設を目指していきました。」そう語る青木だが、汎用性を持たせるための設備投資とコスト面との兼ね合いには苦労したという。汎用性を持たせつつも、どうコストに見合う施設を作り出すか、技術部と毎日のように議論を重ねていった。

長年、住宅系の開発を担ってきた青木と松藤。そんな二人だからこそ、「AS-LOGI神戸I」にはTC神鋼不動産ならではのエッセンスがたくさん詰め込まれている。人が日常を過ごす場所である「分譲住宅」の開発で培ったノウハウが活きることで、細部まで配慮が行き届いたTC神鋼不動産らしい物流施設の事業計画が完成した。
episode3
コロナ禍。物価上昇。部品不足。
困難を乗り越え、すべてのテナントが決定。
本プロジェクトが始動した2020年から2022年にかけて、世界中で新型コロナウイルスが蔓延し、社会機能に大きな打撃を与えていた。当然、本プロジェクトでも様々な影響を受けることになる。まず第一に急激な「物価上昇」が引き起こる。ゼネコンが内定した2021年1月から約半年間で、建設コストが大幅に上昇。さらにコスト上昇が続く中で、価格交渉をいかにスピーディに完了させるかが交渉の肝となった。「社会状況の変化には常に気を配っていました。ゼネコン担当者と設計段階から協議を重ねることで、結果、お互い納得した形でスピーディにゼネコンとの契約をまとめることができて良かったです。」そう青木は当時を振り返り、胸をなでおろす。

「建設部品の不足も重大な問題でした。」そう語るのは技術部の松藤。「コロナ禍の影響で工場が閉鎖したり、需要が急激に高まったりしたことで、建設業界では部品不足が深刻化していきました。でもいち早く状況を察知して、早めに発注を行っておいたおかげで、なんとかスケジュール通りに工事を行うことができました。」大変な状況にもかかわらず、常に先を見据える判断が、プロジェクトの成功を支えていた。

社会状況の悪化はリーシング活動にも影響する。同エリア内での競合施設では、テナント獲得に苦戦を強いられていた。そんな中、「AS-LOGI神戸I」は、着実にテナントを獲得していった。その理由を青木はこう語る。「競合施設を徹底的に分析し、環境面、防災面、雇用面で魅力を訴求できる物流施設を目指しました。この提案が顧客に響き、竣工を迎える前にテナントはすべて決定した。
episode4
竣工から施設稼働へ。
動き出した「AS-LOGI」ブランド。
2022年9月、数々の困難を乗り越え、「AS-LOGI神戸I」は竣工の日を迎えた。ブランド名の「AS-LOGI」には、And・Associateの意味を表す「A」とSmile Life Company・Sustainable・synergyの意味を表す「S」とを組み合せ、地域社会との「つながり」を表現し、人々の「AS(明日)」の暮らしを豊かにする物流施設になってほしいという願いが込められている。

2022年11月、テナントへの入居が開始される日、青木は現場に足を運んだ。「2年以上に渡って携わってきた『AS-LOGI神戸I』に、トラックが入っていく姿を見たときは感慨深かったですね。これから長期にわたり、この物流施設が地域の物流を支えていくことを考えると、自分の仕事に誇りを感じます。末永く使ってもらえる物流施設になってほしいですね。」そう語る青木は、会社初となる物流事業の成功を心から喜んでいた。

一方松藤は、第二・第三の「AS-LOGIブランド」の開発に向け、すでに新プロジェクトをスタートさせていた。「物流施設の開発も、大規模な鉄骨造の建設も、コロナ禍による不測の事態も、何もかもが初めての経験でした。でも、本プロジェクトを通して、大きな成長を実感することができました。そして何より、TC神鋼不動産が積み上げてきたノウハウは、物流施設にも大いに活用できることが今回分かりました。今後は、独自のスタイルを確立し、『AS-LOGIブランド』をさらに発展させていきたいですね。」そう松藤が語るように、本プロジェクトを皮切りに物流事業はさらに加速している。

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