PROJECT.02

レジェンダリー甲子園浦風町

賃貸事業

「レジェンダリー甲子園浦風町」は、何もなかったその場所に
私たちがうみだした”幸せのかたち”。

PROJECT PROFILE
レジェンダリー甲子園浦風町
賃貸開始からわずか2ヶ月で満室に。
人々が求めていた住まいづくり
穏やかな空気が流れ、周辺には小学校や公園もあり、子育てにもうってつけの環境である甲子園浦風町。そこに「人々が笑顔になれる場所」をつくるべく、土地所有者である関西熱化学、共同事業先であるMCエバテック、工事を担当するゼネコン会社の3社と、デベロッパーであるTC神鋼不動産が協力体制を整えて本プロジェクトを始動。TC神鋼不動産としても新しい取り組みである本プロジェクト。豊富なノウハウを持つTC神鋼不動産が3社の中心に立ち、新たな挑戦が始まった。
七里 勇磨 Yuma Shichiri
都市開発事業部 住宅賃貸部
2007年入社 経営学部 経営学科卒
2007年入社。現在は自社保有資産の運営や管理、グループ内の予算管理、若手社員の教育など多岐に渡る業務を担当している。2016年に発足した本プロジェクトのプロジェクトマネ―ジャーとして中心的役割を担うと同時に後進の育成にも力を注いだ。休日はスポーツ観戦をして気分転換をしている。
藤田 栞 Fujita Shiori
都市開発事業部 資産管理グループ
兼 住宅賃貸部
2015年入社 
環境学部 環境デザイン学科卒
2015年入社。現在は部署を兼務しており、自社保有資産の管理や修繕計画の策定などの業務を担当。プロジェクト発足時は入社3年目だったが、プロジェクト担当者として多くの工程・管理に携わり、プロジェクトを成功へと牽引。旅行が趣味で、休日は国内外へと足を運んでいる。
episode1
およそ1年にわたる事業検討。
まずは0から1をつくる。
本プロジェクトが始動したのは2016年3月。関西熱化学株式会社より、「100%出資子会社である株式会社MCエバテックに土地を貸借し、事業を行うことを検討している。共同で賃貸事業を行わないか」との打診があった。当時同社には新築事業のノウハウがなかったため、不動産事業の経験が豊富なTC神鋼不動産にサポートが要請された。要請を受け、当社は事業の検討を開始した。

不動産デベロッパーにとって「事業検討」は、最重要とも言えるプロセスである。賃貸住宅にするのか、賃貸店舗にするのか、建築にかかる費用を踏まえた上で収益はどうかなど、ここでの判断によって事業として成立するかどうかの可否が決定される。そして、およそ1年にもわたる慎重な検討の末、住居系賃貸として事業を行うことを決定したのだった。

「関西エリアに新築で一般賃貸マンションを建てるのはTC神鋼不動産としても当時20年ぶり。それに加えて賃貸住宅での共同事業であり、新しい取り組みとして社内でも注目されていました。」そう語るのは、プロジェクトマネージャーに選出された七里である。七里は当時入社11年目。豊富な経験を評価されプロジェクトの指揮を任された。また、当時入社3年目ながらプロジェクト担当者として抜擢されたのが藤田である。「担当者としてこの規模のプロジェクトに関わるには初めての経験でした。ワクワクしつつも、プレッシャーを感じていましたね。」そのように藤田は当時を振り返る。

そして2017年6月、プロジェクトは本格的に始動することになる。
episode2
共同事業、準受入困難地区、20年ぶりの新築工事…
様々な壁と苦労を乗り越えるために。
プロジェクト始動後、さっそく大きな壁が立ちはだかる。今回賃貸マンションを建築する区画は【準受入困難地区】と呼ばれる場所であった。この場所には条例があり、ファミリー向けで40平米を越える間取りは30戸までしか建てられない。そのため、間取りを決める際にも実現できる限界があり、条例をクリアした上でどれだけ収益があげられるか、という点を特に慎重に検討しなければならなかった。「収益性など様々な事項を考慮する必要がある上、今回は条例という制限まであったので心配な点が多かったです。」そう語る藤田。大学時代に基礎知識は学んでいたものの、この条件下での実務経験はなく、設計には苦労したという。

また、七里も別の心配事を抱えていた。「実は一般向け住居系賃貸マンションの新築物件を担当するのは初めてだったので、手探りになる部分も多く苦労しました。さらに今回は、決定権を持つMCエバテックと協力し合いながら、どうプロジェクトを動かし、成功へと導いていくか、というのも大きなポイントでした。」そう七里が語るように、シェア比率や市場調査、賃料想定、建物仕様の検討、管理内容の検討など、何度も協議を重ねる必要があり、決定までに多くの時間を要したのだった。

デベロッパーとしてのTC神鋼不動産の役割は、専業主であるMCエバテック、工事を担当するゼネコン会社の2社の中心に立ち、プロジェクトを進行すること。
時には、やり取りや伝達がうまくいかず、ゼネコン会社を巻き込んで調整をしなければいけない場面もあった。それでも七里・藤田を中心にチームで助け合いながら、共同事業ならではの苦労を乗り越え、無事プロジェクトは工事着工へと進んでいく。
episode3
いよいよ着工。新たな試みが
プロジェクトを成功へと加速させる。
ついに工事がスタートした。「ここが一つの大きなポイントだったので、着工に到達したときは本当に嬉しかったです。本プロジェクトは何もない土地にゼロから建物を建てるものだったからこそ、月に1回定例ミーティングを行い、こまめに現場に足を運び、現場の各担当者とのコミュニケーションを欠かさないように心掛けました。」そう藤田は語る。藤田は、工事期間中に生じた施工の不具合にも周りの力を借りながら冷静に対応するなど、本プロジェクトに欠かせない存在となっていた。

七里もまたプロジェクトマネージャーとしての存在感を発揮していた。賃貸マンションの成功は“満室稼働”だ。そのためには竣工のタイミングはもちろん、募集開始や入居の時期を見極める必要がある。「実はそれらもすべて計画の段階で逆算されているんです。今回、このプロジェクトには【PC(プレキャスト鉄筋コンクリート)工法】を採用しました。PC工法とは、建物の基本となる部材をあらかじめ工場で製造し、それを現場へ持ち込んで組み立てる工法のこと。現場で製造して組み立てるよりも、より均一で高い品質が保証され、尚且つ工期が短く済む場合が多いんです。新築でこの工法を採用したのは、当社でも初めての試みでした。」そう語る七里。初めての試みということもあり多くの苦労もあったが、プロジェクトマネージャーとして大きな経験につながったと笑顔で語った。

賃貸事業はTC神鋼不動産にとって、売上を支える大きな柱でもある。共同事業の中心で多くの人を巻き込み、邁進する七里と藤田の姿は、会社にとっても、現場にとっても大きな存在感を示したのであった。
episode4
需要を見抜き、満室稼働へ。
プロジェクトを成功に導いたのは
TC神鋼不動産の豊富な経験。
2019年2月、竣工の時を迎え、ついに「レジェンダリー甲子園浦風町」が稼働した。「レジェンダリー甲子園浦風町」は、そこからわずか2ヶ月で【満室稼働】することになる。

この時期は不動産業界にとって最大の繁忙期。先述した通り、この時期に竣工することは計画の時点から決まっていたので、着工と同時に募集活動も進めていた。「MCエバテックと地元の仲介業者との協力体制を整え、ネット広告での宣伝や近隣の店舗での広告掲載など、入居希望のお客様との直接的な接点に繋がる部分を特に大切にした。」と七里は語る。藤田も「地元仲介業者の信頼度が高く、建設中から一般のお客様に認知されていたのは満室稼働への大きなポイントのひとつになりましたね。」と当時を振り返った。

甲子園浦風町は立地条件が非常に良く、周辺には小学校や交番、公園など、子どもがいるファミリー層が住みやすい場所として以前から人気が高かった。今回建設した「レジェンダリー甲子園浦風町」はまさにその需要に応え、人々が家族と共に笑顔になれる場所を提供するマンションとなった。それを事業提案の時点で見抜き、賃貸マンションとして計画したことが、今回のプロジェクトの成功の鍵であった。

今回の事業を振り返って七里は語る。「本プロジェクトを通して、私たちの仕事が人々にどれだけ必要とされているかを感じることができました。これからも人々に寄り添った住まいづくりや街づくりを行っていきたいです。」一方藤田は、「今回の経験を活かして、今後は神戸の街を中心に、そこに住む人たちのことを考えて0から1をつくり、1から10を提供するような仕事がしたいです。」とさらなる意欲を燃やしている。

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