episode1
およそ1年にわたる事業検討。
まずは0から1をつくる。
本プロジェクトが始動したのは2016年3月。関西熱化学株式会社より、「100%出資子会社である株式会社MCエバテックに土地を貸借し、事業を行うことを検討している。共同で賃貸事業を行わないか」との打診があった。当時同社には新築事業のノウハウがなかったため、不動産事業の経験が豊富なTC神鋼不動産にサポートが要請された。要請を受け、当社は事業の検討を開始した。
不動産デベロッパーにとって「事業検討」は、最重要とも言えるプロセスである。賃貸住宅にするのか、賃貸店舗にするのか、建築にかかる費用を踏まえた上で収益はどうかなど、ここでの判断によって事業として成立するかどうかの可否が決定される。そして、およそ1年にもわたる慎重な検討の末、住居系賃貸として事業を行うことを決定したのだった。
「関西エリアに新築で一般賃貸マンションを建てるのはTC神鋼不動産としても当時20年ぶり。それに加えて賃貸住宅での共同事業であり、新しい取り組みとして社内でも注目されていました。」そう語るのは、プロジェクトマネージャーに選出された七里である。七里は当時入社11年目。豊富な経験を評価されプロジェクトの指揮を任された。また、当時入社3年目ながらプロジェクト担当者として抜擢されたのが藤田である。「担当者としてこの規模のプロジェクトに関わるには初めての経験でした。ワクワクしつつも、プレッシャーを感じていましたね。」そのように藤田は当時を振り返る。
そして2017年6月、プロジェクトは本格的に始動することになる。